2017年11月2日木曜日

ネパール Mero Sathi Project 2017 9月 報告書 (6) 石垣航平(東京経済大学経営学部3年)「ネパール研修で得た英語の経験」

「ネパール研修で得た英語の経験」

東京経済大学経営学部3年
石垣航平

私はこのネパール研修において自分の英語がどのくらい通用するか、過去の自分と比べてどれくらい上達したか、自分の英語における課題は何かを見つけることを目標にした。これは研修目標でもあり、及び関ゼミに所属した理由でもある。普段日本にいる間はキャンパス内のグローバルスペースで英語を話していて、そこでの成果を海外研修で活かしたいという思いでこの目標を立てた。
 約一年半前にオーストラリアに1ヶ月間単身で留学した。大学にも留学プログラムはあったが、あえて一人で行くことにした。理由は一人で行くことで外国人の友達を作る機会が増え、英語を使う必要性が増すと思ったためだ。その時点では英語を始めて4ヶ月足らずだったこともあり、会話はできたもののあくまで初心者だったため上手くいかないことが多く、非常に悔しい思いをたくさんした。そのため今回の研修ではネパール人の学生と抵抗なく一日中話せるくらいになりたいという思いで臨んだ。
 ネパールでは英語は母国語でないものの二週間を共にした現地学生達は皆非常に流暢な英語を話し、私達日本人メンバーより明らかにレベルが上であることに初日のAAEEオフィスでの歓迎パーティーで初めて全員と顔を合わせた段階で気づいた。全員が自己紹介をし、そこでこの研修に向けての抱負を一言言うときに、日本人メンバーは多少言葉に詰まり、簡単な英語に終始していた。一方でネパールメンバーは、難しい単語や表現なども含みながらも流暢に話しており衝撃を受けた。UN WOMAN(国連 Women)を訪問し、国連職員によるネパールのジェンダー問題に関するレクチャーを受けた。非常に難しい内容であったにも関わらず質疑応答の場面ではすぐさま挙手し、積極的に質問しているネパール人学生を目の当たりにし、自分もこのままではいけないと思わされた。以上のようにネパール人学生の英語力の高さは圧倒的であることが分かった。
 普段大学で英語を話すときは、いつも同じ学生や知っている学生など話しなれている人がほとんどで、その人たちが使うボキャブラリーやフレーズ、言い回しを分かってしまっていた。そのため理解に困ることはほぼないが、同時に、やや刺激に欠ける日々になっていた。しかしこの研修で出会ったネパール人学生たちの英語には、私には聞きなれない単語が頻繁に含まれていた。そのため理解に困ることもあったが同時に新しい単語を多く学ぶ機会になった。また彼らと英語でコミュニケーションをとって見て、正直、自分の無力さにショックを受けた上に非常に悔しかった。なぜ毎日英語を話しているのに、彼らのように上手く話せないのだろうか、と自分がとても小さく感じた。
研修の序盤は彼らの英語の堪能さと自分のレベルの低さに驚きと悔しさを感じていたが、二週間彼らと共に過ごした中で過去の自分と比べ、成長した点を三つ見つけることが出来た。
 第一に英語での表現力が豊かになったことだ。留学をしていた時の自分は英語で意思疎通こそできたものの、自分の言いたいことを細かく伝えることが出来ず、非常にシンプルで単純な言い方しかできなかった。しかしこの研修では文法と単語の幅が過去より上達していることが分かった。ネパールに到着して二日目の夜に夕食を食べに行く道中で雨が降っていた。カトマンズの路上は舗装されておらず雨が降ると足に泥が付くため靴を履くよりもサンダルの方が便利だ。汚れてもすぐに水で洗えるからだ。その場面で「I wish I didn’t wear these shoes」(靴履いてこなければよかった)ということが言えた。以前の自分には「I want to wear the sandals」(サンダルを履きたい)というような言い方で限界だったが、使いこなせる文法が増え話す自由度が広まったことが実感できた。
 第二に英語を話す体力の増加だ。留学しているとき、一日中英語を使うことに少し疲れを感じ、日本人と一緒にいて日本語に頼っていた時があった。まだまだ英語を話すことに抵抗があり、長く話していると疲れを感じていた。しかし今回は英語を話している中で疲れを感じることは一切なかった。それどころか英語で話すことを常に楽しんでいた。 プログラムの序盤、私が人見知りで初対面が苦手こともありネパール人と話せる機会があまり多くなかったが、徐々に仲良くなると彼らと一緒に行動しながら英語で話す機会が増えた。後半になるに連れてその割合は高まる一方で、ポカラで日本食を食べたときに至っては同じテーブルに座っていたメンバーは私が唯一の日本人でほかは全員ネパール人学生という状況だった。また、移動のバスや歩きでレストランなどに向かう際も気が付いたら自然と自分の周りが皆ネパール人学生だったという状況が多かった。このことから英語を話すことに対する抵抗は前に比べて明らかに低くなっていると感じた。
 第三に公式の場面で英語で質問したことだ。UN WOMANを訪問しレクチャーを受けた後で質疑応答の時間が用意されていた。正直なところ内容がかなり難しかったことや、ネパール学生の質の高い質問を見て、挙手してわざわざ質問する必要はないのではないかと一瞬逃げようとしている自分がいた。普段の日常会話は慣れているため抵抗なくできるが、人がいる前で日本語以外で質問したことは今までにあまりなかったため、ここで逃げることで成長のチャンスを逃すと思い、勇気を振り絞って質問することが出来た。自分にとって一つの大きな壁を乗り越えたような気分だった。
 自分の英語における課題はアクセントを聞き取ることだ。ネパールメンバーの英語が上手なことは明らかであるが、彼らのアクセントに慣れておらず特に研修序盤は聞き取りに非常に苦労した。普段大学のグローバルスペースで会話をしているときはネイティヴ・スピーカーの発音を聞いているため、それと比べると大きく異なり何を話しているかがわからず、何度も聞き直した後に、理解できるということが頻繁であった。英語は国際語で世界中で話されるため、国や地域によりアクセントが異なる。これまではネイティヴスピーカーのみと練習していれば自分の英語は上達し世界中の人と話せるようになると思っていた。上達することは確かであるが、英語には国や地域によって多くの異なるアクセントがある上、人によって使う単語やフレーズが様々である。これに対応する方策として、英語を第一言語とする国の人とそうでない人も含め、様々な国・地域の人とできるだけ多く話し様々なアクセントに慣れることが重要であると学んだ。今後、この課題を乗り越えて自分の英語の領域をさらに広めていきたい。そして将来ビジネスの場面で英語を使う際に、どんなアクセントがあろうともどの国の人を相手にしてもコミュニケーションをうまく取れるようにしていきたい。

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